スタッフとの相談ノート~自分を肯定すること~

OGのSさんが、訓練生時代にスタッフと始めた相談ノート
「自分の気持ちをスタッフに伝えること」を目的に、Sさんが訓練生時代に始めたスタッフとの相談ノート。Sさんはすでに就職されていますが、久しぶりにノートに自分の気持ちを書いてスタッフに渡してくれました。
Sさんに「スタッフとの相談ノート」についてお話を聞きました。また、許可を頂き、実際のノートもご紹介します。
とても良いお話でしたので、記事が長くなってしまいましたが、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
OGのSさんにお話を聞きました。
○今、どんな仕事をされていますか?
―宮城県内の役所で事務職をしています。勤務開始から1年2ヵ月が経ちます。
○相談ノートを始めたきっかけは何ですか?
―スタッフさんからの提案です。
私は話を聞いてほしくて、頻繁にスタッフさんに面談をお願いしてました。
でも、面談では緊張して上手に話せず、相談中に自分の気持ちがわからなくなり同じことを何度も言ってしまい、ずっと結論が出ないこともありました。
面談時間もかかるし、私は相談の回数も多かったので、スタッフさんとのスケジュール調整も難しいこともありました。
そんな時、「ノートにSさんの思っていることを書いて、やりとりをしよう」とスタッフさんに提案されて、相談ノートを始めることになったんです。

○相談ノートを通して、変化したことはありますか?
―たくさんあります。
私は元々、文章を読むのも書くのもほとんどしませんでした。新聞も嫌いで、読むように母に勧められても「こども新聞ならいいよ」と答えていました(笑)。
最初は考えがまとまらず、悲しみや苛立ちをそのままノートに書きました。でも文字にしてみると「なんだか自分の気持ちと違う」と感じ、ノートに書いて消して書いて読み返してまた消して…を何度も繰り返しました。
「この気持ちはこの言葉とは違う」「ここまでは思ってなかった、もっと弱い表現でいい」と、言葉のチョイスを何度も考え、自分の気持ちと文章が合うように、納得いくまで書き直しました。
当時の私は、スタッフさんにも反抗的だったので、何も気にせずにひどい言葉も書きました。でも次第に、「暴力的な言葉・嫌な言葉をスタッフさんが読んだらどう思うだろう」と、相手の気持ちを考えるようになり、優しい言い方・弱い言い方に変えました。
その影響か、話すときも嫌な言葉を使わなくなり、周囲とのもめ事が減りました。
そして相手にどれだけ嫌な言い方をされても、「自分はしないようにしよう」と思えるようになりました。
ノートで気持ちを整理したおかげで「自分の思っていることを冷静に伝える」ことができるようになりました。
相手に自分の気持ちが伝わることも増え、嫌なことはしっかり断れるようにもなりました。
今の職場でも、役に立っている部分です。
また、自分のメンタルが最悪な時も、「嫌だったこと」「思い出したくないけど避けては通れないこと」をノートに書くことで、段々と自分の嫌な部分も肯定できるようになってきました。
物事を整理する力がついたのかな、と思います。
今も、職場にこのノートを持って行っています。休憩時間に昔の悩みを振り返ったり、スタッフさんのアドバイスを読むと、最近の悩みは「まぁいっか」と受け入れられます。本当に、私の宝物です。

○チャレンジドジャパンに通って良かったことは何ですか?
―大げさかもしれないけど、人生が変わりました。
母の勧めで通所を始めた時は10代でしたが、まさに人生のどん底で、「もう全部終わった」と何も意欲がありませんでした。
生活に必要なことや、外に出ることも嫌で、勝手に全部を諦めていました。
開き直りに近いです。「自分はこういう人でいい」「何を言われてもいい」「そうするしかできないんだ」と思っていました。
周囲とコミュニケーションを取ることは、その時の自分にとっては苦しいだけだったので、最初はチャレンジドジャパンにも何しに来ているのかわからない状態でした。
でも、スタッフさんに面談してもらったり、講座に出たりするうちに、「生活していかないといけない、そのために働かなくちゃ」と思えました。今は、昔の自分が嘘みたいに思えます。
今回、Sさんが渡してくれたノートをご紹介します。

〔 自分の今の気持ちを、何に・どう書こうか考えていて、久しぶりにこのノートに書くことにしました。
チャレンジドジャパンに通所し始めた頃を思い出すと、あの頃は外に出ずにほとんど家にいて、何もしたくなくて食欲もなくて何をしても楽しくなくて、消えてしまいたいとすら思っていて、通所しても利用者もスタッフも皆、敵みたいに心のどこかで思っていました。
親友を亡くしてずーっと心に穴があいたような気持ちで、約束守ってくれなかったとか裏切られたとか全部マイナスに考えていて、閉じた心を空けようと話しかけてくれてもそれに対して失礼な態度をとったりしていたな、と思います。
最近になって思うことですが、あの頃の私は本当に自分を保つというか何をするとかではなく、ただ、生きるということに必死で色んなこと考える余裕もなくて、人に優しくする余裕もなくて少しくらい無理しなきゃとか自分の気持ちなんてどうでも良くて自分が耐えれば良いとか思っていました。
亡くなった親友がつらい思いをしてるときに、頼ってとか私がいるから大丈夫とか言ってあげたかったのに言うことができなくて、いつか誰かに言えたら強くなれるような気がしていました。
最近、身近な人が色々あってしんどい思いをしていて、一緒にいるときに自然と私がいるから大丈夫って言えて、逆に自分が楽になった気がした。誰かにかけた言葉で自分が元気になったり、楽になったりするものなんだなと思いました。
自分を変えるのも自分次第、周りを変えるより自分が変わる方が近道だと強く思います。
人とか環境に対して文句を言っても変わらないし、何でも人とか物とかそういう物のせいにしてるときが私にもありますが、冷静に考えてみると、自分が変われない言い訳を探しているというか文句を言っているうちは変わることができないのかもしれないなと思います。
人の意見を聞くことは大切ですが、自分の道を決めるのも、その道を進むのも、全部自分だから“大人になる”よりも“なりたい自分になれる”ように成長したいと思います。〕
最後に
Sさん、WEB記事への掲載を快諾いただき、ありがとうございました。
Sさんが辛く苦しかった期間を経て、今の素敵な考えに至られたこと、とても嬉しく思います。
チャレンジドジャパンは、今後もSさんを応援して参ります。
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